GRAPE TYPE OF HUNGARIAN WINES
ハンガリーで栽培されているワイン用の葡萄品種は実にさまざま。ワイン通にもあまり知られていないものがいろいろあります。ハンガリー原産のものと、この国の代表的な葡萄品種について、それぞれの特徴を紹介したいと思います。
GRAPE TYPE OF HUNGARIAN WINE
ハンガリーワインのぶどう品種(白ワイン用)
Furmint フルミント
貴腐ワイン、エッセンシアの原料として有名。ハンガリーワインを代表する葡萄品種。フルミントはトカイの原産地呼称下の中でも最も多く栽培されている葡萄品種のひとつ。それはしばしば、ハラスレヴェリューという品種とともにアスー※ワインの主な原料として使用されている。トカイのワインメーカーたちはスイートワインの消費量を減らすために、見事なドライフルミントの白ワインを生産することでそれに答えている。フルミントはハンガリー全土で生産され続け、偉大なドライフルミント(白)は、バラトンフュレド・チョパク、バダチョニ、ショムロー、マトラやエゲル地方で生産されている。新鮮なフルーツの香り、熟すのが遅いフルミントはしばしば洋ナシと比較されることがある。そのはっきりとした酸味とアルコールによって、わずかに酸味のある個性的なワインが生まれている。【エピソード】トカイ地方原産のフルミント種はその存在について、早くも1611年にトカイ・エルドゥベーニェでその品種の多様性に関する言及など、いくつかの証言が見つかっています。
Noble Rot Tokaj Aszu 貴腐ぶどう トカイ・アスー
フルミントの収穫時期を秋から冬と遅らせると貴腐菌がつく。貴腐菌のついたぶどうを原料に造られた天然甘口白ワインをトカイ・アスーと言う。アスーには、“しなびた”“シロップのような”という意味合いがある。
Puttonyos プットニョシュ
貴腐菌のついたぶどうは、プットニョシュという名前の26kg入りの背負い桶によって醸造所に運ばれる。その後、ゲンツィと呼ばれる136L入りの樽にワインが入っており、そこにプットニョシュの中の貴腐ぶどうを何杯分、加えたかによって、数字が変わる。
Essencia エッセンシア
エッセンシア / 世界三大貴腐ワインの1つ。450g/L以上と、糖度が最も高いエッセンシアは、貴腐ぶどうのみを使用した、極甘口ワイン。
この続きを読むには
Oraszrizling オラスリズリング
最も栽培量の多い白ワイン用葡萄品種。オラスリズリングはその収穫量の豊富さから共産主義時代、中央〜東ヨーロッパで最も栽培されていた白ワイン用葡萄品種。オーストリアのWelschrieslingと同じ白葡萄で、現在もハンガリーで最も多く栽培されている品種。ハンガリーはオーストリアよりも温暖な気候のためか、葡萄の実がより大きくなるのが特徴的。主にバラトン湖周辺のワイン産地、バラトンフュレド・チョパク、バダチョニ、ショムロー、そしてエゲルでも、広範囲のエリアで栽培されている。
Hárslevelű ハールシュレヴェリュー
菩提樹に似た葉を持つ葡萄品種。トカイではフルミント種に次いで主要な品種。上品でまろやかでコクと芳香のある白ワインを生み出します。
Kéknyelű ケークニェリュー
強いフレーバーを持つ、収量の少ない白ワイン用品種。バダチョニの丘のワインの中でも最良の、最も堅固なワインを生む。素質として火のような熱気と刺激的な芳香を持つ。【栽培地域】バラトン地方バダチョニのみで栽培、生産されている。【特徴】良質(当たり年)のヴィンテージものはクリーミーかつエレガントな味わい味わいに、非常に高品質の白(ドライ)ワインを生む希有なぶどう品種。栽培するまでが非常に大変だが、ワインメーカーや醸造家には大変人気のあるぶどう品種。熟すまでがとても遅く、ケークニェリューは『青い茎』を意味する。ハンガリー西部のバダチョニ地域が由来のハンガリー特有の白ワイン用ぶどう。
Budai Zold ブダイ・ズールド
【栽培地域】Budai Zöld /ブダイ・ズールドは Etyek–Buda エチェク・ブダ地域で生産されている。【特徴】シンプルな味わい、グリーンアップルのフレーバーと野菜を思わせる、フレッシュかつしっかりとした酸味の早飲みワインタイプの白ワインとなる。 【ストーリー】ぶどう品種の文字“Buda”は、このぶどうの由来“the green of Buda”ついて言及しているる。ブダとはハンガリーの首都で使用されていたが、今はブダペストの一部の地域を指す。
Cserszegi fűszeres チェレセギ・フーセレシュ【栽培地域】Cserszegi fűszeres/チェレセギ・フーセレシュは トカイ地方をのぞき、特にクンシャーグとハヨーシュ・バヤ(での栽培)が有名だが、ハンガリー全土のワイン産地で生産されている。バラトン湖周辺でも(このぶどう品種が原料の)評判の良い白がある。【特徴】しっかりとした高い酸味をともなう香ばしいマスカットタイプの白ワイン用ぶどう品種。フルボディの赤が好きなワイン愛好家には少し物足りないケースが多いそうだが、とてもエレガントで洗練された魅力的なワインになることが多い。 【ストーリー】チェレセギ・フーセレシュは、カーロリー・ヴァコニ氏によって、イルシャイ・オリヴィエとレッド・トラミネールの交配種として造られた。チェレセギという言葉は、カーロリー氏が住んでいたバラトン湖北西の村を意味する。フーセレーシュはspicy=辛いという意味で、ぶどう本来の辛さを表現している。
Ezerjó エゼリョー【栽培地域】Ezerjó / エゼリョーはハンガリー全土でもMor モール地域のみで栽培、生産されている。モールはとても小さなワイン産地で、このエリアのワインメーカーだけが年々、収穫量が減り続けるエゼリョーを原料に大変注目すべき秀逸な白ワインを生産している。【特徴】色/淡いグリーンがかった色合い。アロマはわずかな香り。ライトボディの白。強い酸味をともなうジューシーな早飲みタイプの白ワインになる。 【ストーリー】エゼリョーは1000の善意を意味する名称で、カルパチア盆地全体でもよく知られたぶどう品種の1つだった。
Irsai Olivér イルシャイ・オリヴェール【栽培地域】Irsai Olivér イルシャイ・オリヴェールはとても人気のある白ワイン用ぶどう品種。特にクンシャーグにある名ワイナリーで、香り高く出来が最高なぶどうから白ワインが造られている。マートラ、バラトン、エチェク・ブダ、ネスメーリ、ショプロンで(このぶどう品種を原料に)造られる白も人気が高い。【特徴】熟すのが早く、繊細なスパイシーさと果実の芳香をあわせ持つ、早熟タイプの白ワインを生む。
Juhfark ユーファーク
【栽培地域】Juhfark ユーファークはバラトン湖の北岸にあるワイン産地バラトンフュレドの中でもとても小さなワインエリア、 Somlo ショムロー内の小さな火山丘で栽培されている。【特徴】花の香り、グリーンアップルの香り、とても酸味とミネラルが豊かなドライワイン。木樽でじっくり熟成したタイプには優れた白ワインが生まれることが多い。
Muscat Ottonel /Ottonel Muskotály ミュシュカト・オットネル / オットネル・ミュシュコターリ
【栽培地域】黄色いミュスカ種。Muscat Ottonel /Ottonel Muskotály ミュシュカト・オットネル / オットネル・ミュシュコターリはショムローとショプロン以外のハンガリー全土、特にマートラ、エゲル、クンシャーグ、バラトンで栽培されている。【特徴】早飲みタイプの白ワインとなる。フレッシュなアロマと熟したベリー系果実とバラの香りと風味が感じられる。たいていのミュシュカト・オットネルは、複雑さがなく、中程度かそれより酸味が低く、飲みやすいワインとなる。トカイワインでも少量ブレンドされる。トカイ地方とエゲル地方でライトボディではあるが、長寿命のワインを生む。
Szürkebarát スルケ・バラート
文字通りには灰色の修道土。Pinot Grisピノ・グリ種を指す。【栽培地域】主にマートラとバダチョニなどバラトン湖周辺のワイン産地で栽培されている。バラトン地方北部では、火山土壌で栽培された秀逸なスルケバラートの白がたくさんある。【特徴】果汁がピンク色のため、マセラシオンを長くすればするほど、淡いピンク色の香り豊かなフルボディのリッチなワインとなる。酸味は中程度か低め。
Zeus ゼウシュ
【栽培地域】Zeus ゼウシュはバラトン地方バダチョニで主に栽培されている、特にフィネスワインピアのワインリストでも紹介している『SZEREMLEY BIRTOK Badacsonyi Zeus 2003 late harvest/セレムレイ ビルトック エルシュー マギャル ボルハーズ バダチョニ・ゼウシュ 2003(遅摘み天然甘口白ワイン)』 が最も有名なゼウシュの白ワイン(レートハーヴェスト遅摘みのナチュラルスイート白ワイン)である。他にはショムローで少量だがこのゼウシュを原料に白ワインをプロデュースするワインメーカーがある。【特徴】通常の白ワインの製法で造ると酸味の強い白ワインとなるが、収穫時期を遅くするとポトリヌス菌がほど良くついて、セレムレイ・ビルトックの白のように素晴らしい天然甘口ワインを造ることができる。
Királyleányka キラーイ・レアーニカ
【栽培地域】Királyleányka キラーイ・レアーニカはもともとはハンガリー西部であった現ルーマニアのトランシルバニア原産のぶどう品種。現在は、ハンガリー原産のぶどう品種として世界的に知られている。ハンガリー全土で栽培されていて、特にマートラ、アーサール・ネスメーリ、エゲル、モール、パンノンハルマ(バラトン南部)とペーチといったワイン産地で栽培、生産されている。エゲル地方のフローラルな白ワイン、エゲル・チラーグのブレンド品種として知られている。【特徴】グリーンがかった淡いレモンイエローの色合い。心地よくフレッシュな酸味、他のぶどう品種とのブレンドによってよりフルーティで花の香りがする、サマーシーズンにちょうど良いライトボディの白ワインとなる。
Grape Type for Hungarian Wine
ハンガリーワインのぶどう品種(赤ワイン用)
Kékfrankos/Blaufränkisch ケークフランコシュ/ブラウフランキッシュ
オーストリアのブラウフランキッシュ種のハンガリー名称。一般にGamay種の親戚と定義されている。ハンガリーでは8000ha以上も栽培面積があり、ほぼハンガリー全土で栽培されている。ツヴァイゲルト種の次に栽培面積の多い赤ワイン用ぶどう品種。特にオーストリアに隣接するショプロンや、エゲル地方でもToth Ferenc Egri Bikavérをはじめ、ビカヴェールの原料としても使用されている。ハンガリーワインの赤ワイン名産地で知られるセクサールドやヴィラーニでも栽培され、また、今日ではバラトン地方のチョパクのST. DONAT MAGMA セント・ドナート マグマやバダチョニでも上質なミディアムボディの赤ワインが数多くプロデュースされている。
Kadarka カダルカ
赤ワイン用品種。カダルカはハンガリー全国で栽培されている。クンシャーグ、チョングラードそしてハヨーシュ・バヤなど大平原のワイン産地ではとても重要なぶどう畑がたくさんある。カダルカはセクサールドとエゲルで最も重要な赤ワイン用ぶどう品種で、エゲルではブレンドされたビカベール(雄牛の血)というフルボディの赤ワインが特に有名。【特徴】カダルカの栽培は非常に難しく、晩熟として知られる。ハンガリー南部で大量のデイリーワインの原料として知られている。カダルカから造られるワインは中程度のルビー色になる。スパイシーなのにエレガントな余韻が残る希有な赤。赤ワイン名産地のセクサールドやヴィラーニで生産されるカダルカの赤ワインにはふくよかなフレーバーを持ち、興味深い熟成を見せるワインとなることがある。【由来】カダルカはセルビア人によってバルカン半島からハンガリーに伝わったと言われている。
Portugieser ポルトギーザー
文字通りには灰色の修道土。Pinot Grisピノ・グリ種を指す。【栽培地域】主にマートラとバダチョニなどバラトン湖周辺のワイン産地で栽培されている。バラトン地方北部では、火山土壌で栽培された秀逸なスルケバラートの白がたくさんある。【特徴】果汁がピンク色のため、マセラシオンを長くすればするほど、淡いピンク色の香り豊かなフルボディのリッチなワインとなる。酸味は中程度か低め。
Zweigelt ツヴァイゲルト
【栽培地域】Zeus ゼウシュはバラトン地方バダチョニで主に栽培されている、特にフィネスワインピアのワインリストでも紹介している『SZEREMLEY BIRTOK Badacsonyi Zeus 2003 late harvest/セレムレイ ビルトック エルシュー マギャル ボルハーズ バダチョニ・ゼウシュ 2003(遅摘み天然甘口白ワイン)』 が最も有名なゼウシュの白ワイン(レートハーヴェスト遅摘みのナチュラルスイート白ワイン)である。他にはショムローで少量だがこのゼウシュを原料に白ワインをプロデュースするワインメーカーがある。【特徴】通常の白ワインの製法で造ると酸味の強い白ワインとなるが、収穫時期を遅くするとポトリヌス菌がほど良くついて、セレムレイ・ビルトックの白のように素晴らしい天然甘口ワインを造ることができる。
Cabernet Franc カベルネ・フラン
【栽培地域】
Cabernet Franc カベルネ・フランはもともとはハンガリー西部であった現ルーマニアのトランシルバニア原産のぶどう品種。現在は、ハンガリー原産のぶどう品種として世界的に知られている。ハンガリー全土で栽培されていて、特にマートラ、アーサール・ネスメーリ、エゲル、モール、パンノンハルマ(バラトン南部)とペーチといったワイン産地で栽培、生産されている。エゲル地方のフローラルな白ワイン、エゲル・チラーグのブレンド品種として知られている。【特徴】グリーンがかった淡いレモンイエローの色合い。心地よくフレッシュな酸味、他のぶどう品種とのブレンドによってよりフルーティで花の香りがする、サマーシーズンにちょうど良いライトボディの白ワインとなる。
Cabernet Sauvignion カベルネ・ソーヴィニヨン
文字通りには灰色の修道土。Pinot Grisピノ・グリ種を指す。【栽培地域】主にマートラとバダチョニなどバラトン湖周辺のワイン産地で栽培されている。バラトン地方北部では、火山土壌で栽培された秀逸なスルケバラートの白がたくさんある。【特徴】果汁がピンク色のため、マセラシオンを長くすればするほど、淡いピンク色の香り豊かなフルボディのリッチなワインとなる。酸味は中程度か低め。
Merlot メルロー
【栽培地域】Zeus ゼウシュはバラトン地方バダチョニで主に栽培されている、特にフィネスワインピアのワインリストでも紹介している『SZEREMLEY BIRTOK Badacsonyi Zeus 2003 late harvest/セレムレイ ビルトック エルシュー マギャル ボルハーズ バダチョニ・ゼウシュ 2003(遅摘み天然甘口白ワイン)』 が最も有名なゼウシュの白ワイン(レートハーヴェスト遅摘みのナチュラルスイート白ワイン)である。他にはショムローで少量だがこのゼウシュを原料に白ワインをプロデュースするワインメーカーがある。【特徴】通常の白ワインの製法で造ると酸味の強い白ワインとなるが、収穫時期を遅くするとポトリヌス菌がほど良くついて、セレムレイ・ビルトックの白のように素晴らしい天然甘口ワインを造ることができる。
Pinot Noir ピノ・ノワール
【栽培地域】
Cabernet Franc カベルネ・フランはもともとはハンガリー西部であった現ルーマニアのトランシルバニア原産のぶどう品種。現在は、ハンガリー原産のぶどう品種として世界的に知られている。ハンガリー全土で栽培されていて、特にマートラ、アーサール・ネスメーリ、エゲル、モール、パンノンハルマ(バラトン南部)とペーチといったワイン産地で栽培、生産されている。エゲル地方のフローラルな白ワイン、エゲル・チラーグのブレンド品種として知られている。【特徴】グリーンがかった淡いレモンイエローの色合い。心地よくフレッシュな酸味、他のぶどう品種とのブレンドによってよりフルーティで花の香りがする、サマーシーズンにちょうど良いライトボディの白ワインとなる。